「立場」「役職」「人脈」「体制」。50歳も過ぎると、そういう要素が自分に身に付き、そういう要素で仕事ができるようになってくる。それは大企業におけるマネジメントのメリットでもあり、宿命でもあるし、それがいわゆる「実績と経験」ということにもなる。しかし、多くのシニアがなぜ、自分の未来に自信がないのだろうか?それは、定年後に、そのような鎧や環境が一気になくなるからだ。
シニアになるにあたっては、「自律」かつ「自立」の両ジリツな人間になる必要があると思う。「他から支配、制約を受けず自らの規範で動ける自律型人間」と「他への従属から離れて支配、助力なしで存在できる自立型人間」
その両方になるために、晩年にロシアに赴任できたことは大きい。アメリカやヨーロッパの本社などに勤めると、どうしても、仕事のやり方が、冒頭に並べた要素でやることになってしまう。50歳を過ぎて、両ジリツ型人間になるためには、自分の過去の経験や価値観とは全く違った環境に身を置けること。そして、50を100にする仕事ではなく、0から1を生み出す仕事をすること。
そして、組織の立場や組織の人脈だけに頼る仕事をしないこと。
新しい世界を創り出すこと。まるで大卒の人間が社会に出ることに気後れしてしまうようなイメージの世界にあえて身を置くこと。
こういうことが大事な気がする。
今、もし自分が、今までの経験をフル活用できるようなアメリカ、イギリスなどに赴任をして比較的大勢の日本人駐在員と仕事をしていたら、両ジリツの可能性は摘まれた気はする。そこまで自分はストイックじゃない人間だからだ。
未来大吉