6月9日に、モスクワの自粛規制も解禁になった。段階を経て進めていくようだが、基本的には自由に外出できる環境がいきなりやってきた。
10週間も自粛をしていると、いきなり解禁と言われても、足がすくむというか腰が重いというか、待ってましたとばかりに外に出たがるかといえば、案外、自宅にこもってしまうことに慣れてしまっている自分を気付く。
引きこもりにはいろんな要因もあるだろうけど、人は一旦このような生活に慣れてしまうと、そもそもそれ以外にスペースを広げることに対して億劫になるのだろうなと思った。だからこそ、やはり人間社会というのはいくらデジタルが発展しようと、外に出て、人と物理的に交わり、集まる、出会う、触れるということで成り立っているのだろうと改めて感じるのである。
日本人の自分は、外出時にもインストラクション通りに、マスクをし、手袋もはめとしてみたが、外にいるロシア人でそれをしている人の比率は感覚的には20%以下、外を歩いている限りにおいては、ほとんどの人がコロナ以前のようないでたちで、普通に、テイクアウトのカフェに並んでいる。
まるでコロナなどなかったような雰囲気だ。久しぶりにアシャーンに行ってみた。人の出入りは以前の半分といったところだろう。さすがにショッピングモールやスーパーに入ると、お客側もマスクや手袋をしている人の比率は高くなる。
それでも全員が守っているというわけではなさそうだ。
ロシア人は国民性なのか、どうかは別としても、今回のコロナを比較論としてあまり脅威に思っていないような印象を受ける。
致死率が比較的低く、医療崩壊などを起こしていないのか。それとも身の回りであまり重篤者がいないからか、また日本のメディアやSNSのようにフェイク含めた情報が氾濫しているのではなく、淡々と事実をとらえているからなのか。(少なくとも日本のワイドショー的な偏った盛り上がりはないと見受けられる:が実際にはロシア番組を全て見ているわけではないので実際のところはわからないが)
いずれにしても、来週からは自分もオフィスワークが始まる。まずは週2日から始めるというのが方針として決まった。
しかし、デジタル、リモートワークですっかり慣れてしまったので、オフィスに行く意味は仕事としてはどれだけあるのだろうか?という思いはある。
一方で、こうして会社として組織として、元に戻るのだという意思表明というか鼓舞する動きになるという側面はあるのだろうと思う。
人はやはり感情や気持ちで動くものだとつくづく感じたからだ。
未来大吉