miraidaikichiのブログ

ロシアンルーレットな未来 ~Будущее за русской рулеткой~

ロシアンルーレットな未来:トレチャコフ美術館(Letter from the Front 1947.)

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トレチャコフ美術館

トレチャコフ美術館(新館)に入ってみた。

モスクワリバー沿岸にあり、20~21世紀の近代美術が展示されている。絵画のスペースは40にもわたり、とても短時間では見切れないものである。

私自身はそれほど美術に造詣が深いわけでもないし、美術館巡りなどを趣味とはしていない。かなり一般の普通の興味程度と知識しかない人間でもある。

しかし、トレチャコフ美術館はまあ、とても広く、人も多くはないので、本当にゆっくりと絵画を見ることができる。ロシア革命からソビエト時代、そしてモダンアートまでカバーしているので、時代背景を感じることができる。さすがにスターリンレーニンの作品は多い。見ていると、とてもユニークなというかかなり見たことがある絵が目に留まった。独特の世界観であり、自分自身も好きなものであったが、その画家の名前がシャガールとある。「ああ、あのシャガールと同じ名前なんだ。??でも画風も似ているなあ?」と思っていたら、実はあのシャガールがロシア人だったなんてってことを初めて知ったのである。なんとあのシャガールの本物の絵をひょんなことから(たった500ルーブルで)見れたのだ。これはラッキーだった。全ての作品が独特で目に留まるものが多いのだが、ここに貼った写真が一番目に留まった。情報も何もない中で、この作品を見た瞬間、「なんて明るい幸せそうな絵なんだろう。光の加減や笑顔がここまで素敵に表現されている」と感じた。

作品の説明などがついていないので、よくわからなかったが、何気なく見るとタイトルが「Letter from the Front1947」とある。。。そして改めて絵をまじまじと見ると、そこには戦争中だろう怪我をした将校さんが、家族の元に戦場にいる父親からの手紙を持ってきたのだと思える。そして子供たち、家族の表情がなんとも言えない戦時中ではあるが、幸福感に包まれた一瞬を表現しているものだった。

幸せそうな家族ではあり、風景ものどかではあるのだが、足元の床を見ると穴が空き壊れかけているのである。人の幸せというのは、物理的なものではなく、精神的なものであり、光もその人の精神状態によって明るさが変わってくるものだろう。

そういうものをこの絵をもって表現しているのはすごいなって思った。

この画家の作品は他にも展示をされており、目に留まるものが多く、おそらく自分好みの画家なんだろうと思う。

また日を改めて見に行こうと思う。

 

 

 

未来大吉