miraidaikichiのブログ

ロシアンルーレットな未来 ~Будущее за русской рулеткой~

ロシアンルーレットな未来:典型的なサラリーマンだから

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文化人アパート(1954年完成)

 「あいつは典型的なサラリーマンだから」と揶揄されることが日本でもロシアでもある。まず、この表現自体がどこか小ばかにした上目線なところがあるのは否めない。こちらの現地社長もそのような人間だと聞いていた。

ロシア地域はご本社様が欧州統括でロンドンにあることから、ロンドンの言うことが絶対になる。だからロンドンの指示に従わざる得ないし、そのことで現地人の評価と報酬が決まるのだ。人はどんな思いや野心があろうと家族や生活のためにそれを抑えて大勢に従うこともせざるを得ないことが往々にしてある。

極端な話、どんなに憲法や法律に反対したところで、国民としてはそれを従順に守って生きているのが現実だ。企業も当然そうなる。中間管理職や地域統括社長には常に上があり、その上に従わざるを得ないのである。

では、本当の意味での「典型的なサラリーマン」というのは、どういう意味か深く掘り下げると、「ただ上の言うことだけに従うことを正しいと思っている」というのと「思いや野望はありながら上の方針をまもりつつ変革は現実論として別途考える」という二つがあると考える。ただ上の言うことに反論をしたり、反旗を翻し自由にふるまうだけでは、現実は企業から評価もされず、変革をするチャンスも与えられることもなく、終わっていくのだと思う。

その意味で、今回、赴任して関わる現地人社長は、後者の方だということがわかってきたのが救いだ。"上”というのが常に世の中の先を見ているかというとそうではないことも多い。またこのスピード時代にご本社がそこまで理解できないことがある。だから”上”は現場主義、現地への権限委譲をするのだ。それを理解しながら、途中段階でいろんな考えや価値観がある上位マネジメントを潜り抜けて、どう世の中を変革するかということ。これが求められる。

そういうことができるのが本当の意味でのこれから求められる「典型的なサラリーマン」だと考えている。

そうこれからのサラリーマンは「変革マインド」「人を動かす力」「大勢への迎合力すら持つ余裕」など幅広く、深く、能力を養っていかなくてはならない。

そういう「典型的なサラリーマン」をどう創るかが企業の人材ブランディングなんだと思う。

 

 

未来大吉