miraidaikichiのブログ

ロシアンルーレットな未来 ~Будущее за русской рулеткой~

ロシアンルーレットな未来:ロシアンジャパニーズレストラン”Tanuki"

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Tanuki

 海外で旅行もしくは生活をすると、日本食が恋しくなる。日本人(それも本格的な実力者がやっていないレストランが多く、我々日本人は、そういう類のレストランを”なんちゃってジャパニーズ”と揶揄しつつも、他の選択肢がない中、行ってしまうものでもある。自分はアメリカが長く、サンフランシスコ、南カリフォルニアアトランタは熟知し、シカゴ、デトロイト、ニューヨークあたりの日本食もある程度認識している。

そこで、ここモスクワのいわゆる”なんちゃって系”のTANUKIにトライをしてみた。

結論から言うと、”なんちゃって”というカテゴリーではなく、まったく別ジャンルとして完成された美味しいものだ。写真のようにロール(しかもサーモンでチーズをくるんだものとアボカド巻き)しか食べていないが、予想とは違って実に美味しいのである。

店内は入ると広々としており、全席ソファー(しかも家のようにクッションがある)だ。メニューが英語とロシア語で表記されており、麺類やご飯もの、そしてお寿司(特に巻物)が中心だ。

このサーモンロールは、ご飯が日本人では作らないだろうというレベルでの粘着性。

お寿司の常識である”米粒一つひとつが独立し、中に空気が入るような”ということは一切ない。この粘着性がサーモンという海苔の代わりの巻きを安定させている工夫と思われる。

世の中にある”なんちゃって”というのは日本の日本食に限りなく近づけようとして再現しきれていないもの。また評価する日本人自身が、自分たちが知っている日本食を正解としてそれを基準に評価をするから、近づこうとする日本食に落胆をして”なんちゃって”とさもアウトレットのごとく格下げしてしまうのだろう。

そこでTanukiであるが、これはロシアにきて全般的に感じることでもあるが、まず、何食だろうとなんだろうと”美味しさ”を求めており、オリジナル料理の再現性を求めているものではない食、料理へのプライドのようなものがある気がする。

だから、このTanukiの巻物は決して我々典型的日本人が知っているものではない。が、別物として味もプレゼンテーションも完成されており、結果として”あり”なわけだ。

イタリア人がおそらく日本のナポリタンを認めないように、認められようが認められなかろうが、美味しいものは美味しいのである。

Tanukiありだな。と思うとともに、これからモスクワにあるいわゆる日本人が行かないような日本をモチーフとしたカフェやレストランにトライしていきたい。

きっとレベルが高いのではと胸がわくわくするのである。

 

 

未来大吉