”新鮮なもの”への”高揚感”。人間５０年以上もやっていると、そういう高揚感に出会うことが滅多にない。大げさに言うと、犯罪まがいのことでもしない限り、大概のことは経験、体験、また想像の範囲を超えなくなるものだ。
アルバート通がどういうところかというのはウエブや地球の歩き方に記されている通りである。ロシアに来て初めての週末。
家族を含めた多くの人から「ロシアに行ったら気を付けて、変なところに行かないように！！」と言われ、もちろん人事からも政府からもお達しが出ている。
アルバート通自体は観光地であり、全く安全な場所である。昨日はホテルから赤の広場まで歩き、今日はここを歩いていると、本当に今までいた世界とは別世界に来た新鮮な思いが走り、それがいちいち心を躍らせるのである。
ソビエト時代から作られたこの道を歩いていると、まるで、造り物のように感じる。それはまるで、ディズニーランドのそれであり、ユニバーサルスタジオのそれに近い感覚だ。両サイドの店のならびは本当は張りぼてでできており、裏に回れば、セットのような組み立てがされているのではなかろうか？と勘ぐってしまう。
しかし、これが実在している。まさに本物だと思うと、それだけで視覚からアドレナリンを刺激するのである。
２０歳の時に初めて国際便にのり、サンフランシスコに渡ったことを思い出した。３０年以上も前のことである。その当時も同じことを感じてたなと。見るものすべてがファンタジーのような感覚。
その”感覚”が高揚感につながっている。ロシア語は当然のごとくまだ話せない。ロシアの歴史に対する認識もまだまだ薄っぺらい。だからこそ、スクラッチからゼロスタートする喜び。。それが高揚感の原因なんだと思う。
これから何年、このロシアで生活をするかわからない。しかし、長いようで短い、短いようで長い。それをどう有意義にできるのかも自分次第。
そう考えると、これから沢山の驚きと出会いがあり、”高揚感”が途切れることがないのだろうと思う。
そう思えるだけで、全ての時間が珠玉に感じられるのである。
未来大吉
